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相続対策11
質問
72歳の母が骨折をして入院しました。それを機に少し認知症の傾向が出てきたようです。兄とはあまり仲がよくありません。母は億を超える財産をもっているようです。相
続に備えて今から準備しておくことを教えてください。
回答
相続対策と一口に言っても様々な観点があります。ご質問の情報から想定される対策を考えてみましょう。まずは、問題を整理することが必要です。
お母さまが認知症の傾向が出てきたとのこと。医師の診断を受けて適切な治療をすることは言うまでもないことですが、判断能力が衰えるとほとんどの対策ができなくなってしまうので、準備に時間的制限があるかも知れないことを頭に入れておくことです。
法定相続人(法律上の相続権がある人)は子供であるあなたとお兄さんでしょうか。何も残さなければ、お母さまが亡くなった時(相続開始時)にあなたとお兄さんで遺産分割協議(財産の分配を話し合うこと)をしなければなりません。両者が合意しないと財産を確定的に分けることはできません。このための準備としては、お母さまに遺言を書いてもらうことが考えられます。誰にどの財産を残すのかを文書に残しておきます。葬儀の主宰やお墓の管理も指定することができます。
相続税対策としては、節税対策と納税資金確保の対策があります。節税対策には長い期間を要するものもあるようです。財産に不動産が多い場合には、納税資金の確保も重要な課題となります。
司法書士 田中裕志