司法書士法人あい事務所-会津若松・猪苗代・会津坂下-

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相続トラブル5
« 2016/4/28 »

 

【 質問 】

 長男が急死しました。妻子はなく、私たち両親と弟(次男)が1人います。弟はこの6年ぐらい行方不明です。長男は、自営業をしていて、多額の借金があります。自宅の名義は長男です。今後どうすればよいか教えてください。


【 回答 】

 相続手続きには期限があるものがあります。そのひとつが相続放棄です。本人が亡くなったことを知った時から3ヶ月以内に家庭裁判所に申述(申立)する必要があります。相続放棄が受理されると、法的には初めから相続人ではなかったことになり、プラスの財産もマイナスの財産も引き継ぎません。ただし相続放棄は撤回ができないので慎重な検討が必要です。

 相談者の場合には、両親が相続放棄をすると、原則本人の弟が相続人となります。しかし、行方不明で連絡がとれません。この場合、借金の支払い義務は一応弟が引き継ぎます。銀行等の債権者は、家庭裁判所に不在者財産管理人の選任を申し立てて、その管理人を相手に自宅等の競売を行い、換価(売却)して回収します。

 自宅が売れれば、相談者らは出ていかなければなりません。その間は少なくても数ヶ月はありますが、新しい住居の準備はしなくてはならないでしょう。高齢により自分で手配することが難しく、援助してくれる親戚等がいなければ、地域の役場や包括支援センター等に相談することをお勧めします。

 このケースでは、借金の処理と住居の確保が最も重要な課題だと思われます。早急に専門家を交えて検討しましょう。


司法書士 田中裕志