司法書士法人あい事務所-会津若松・猪苗代・会津坂下-

ひとりひとりの問題解決に全力を尽くします

0120-913-456

相続トラブル11
« 2016/12/04 »

【質問】

 末期がんの友人が遺言を残しました。内容は、私たち夫婦に財産を残すというものでした。友人は、妻子がおらず、兄弟とも疎遠です。もし、友人が亡くなったらどのように対応すればよいでしょか。

【回答】

 遺言書がある場合の財産の行方について説明します。仮に、遺言がない場合には、法律上の相続人が権利を取得します。複数人いれば、その方たちで遺産分割協議(遺産分けの話し合い)をして、具体的な財産分配方法を決めます。ご相談の友人の場合には、両親がすでに他界しているのであれば、兄弟が法律上の相続人となります。

 しかし、遺言がある場合には、上記の法律上の相続より遺言の内容が優先します。通常その場合でも相続人には遺留分という権利があるので、一定の割合は主張することができるのですが、兄弟姉妹には遺留分がありません。ですから、兄弟姉妹は権利を主張できず、遺言どおりに遺産が引き継がれます。

 遺言が自筆証書の場合には、遺言執行(不動産の名義替えや預貯金の解約など)の前に家庭裁判所に遺言の検認を申立なければなりません。遺言の存在を裁判所に証明してもらう手続きです。公正証書遺言の場合には、検認手続きは不要で、戸籍等を徴求してすぐに遺言執行手続きを開始することができます。

 遺言に遺言執行者を指定している場合にはその人が遺言を執行しますが、指定がない場合には、家庭裁判所に選任を申し立てることができます。遺言執行者は、財産目録を作って法律上の相続人に対して交付する義務があります。

司法書士 田中裕志