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認知症対策12
« 2017/12/01 »

 

認知症対策12

<質問>

1人暮らしの80歳の父についての相談です。先日、100万円の屋根の塗り替え工事の契約書が家に置いてありました。父に尋ねると、営業の人が家に来てサインしたそうです。取り消す方法はありますか。

<回答>

 契約を取り消したり無効を主張したりする方法はいくつか考えられますが、最もはじめに検討すべきはクーリングオフ制度です。クーリングオフを使うと、訪問販売などの場合で一定の要件のもと無条件で(理由なく)解約できます。

 具体的には、契約書等法定の書類を受領してから8日以内に通知を発することにより契約を解約できます。通常、通知したことがわかるように内容証明郵便や配達記録を利用します。契約書等を受領してから8日過ぎた場合でも、書面に不備があればクーリングオフができる場合があるので、専門家や消費生活センターなどに相談することをお勧めします。

 クーリングオフは、訪問販売のように購入する意思がなかったのに勧められて契約した場合に、あとでクールダウン(頭を冷やして)して考え直してみたらやはり必要なかった、ということを救済する制度です。

 クーリングオフが適用されない場合には、特定商取引上の取り消しや民法上の無効の主張が考えられますが、立証責任の点で壁があります。

 もしお父さんが認知症の場合には、成年後見制度を利用して今後の対策とすることもできます。医師の診断書を添付して家庭裁判所に申立することにより裁判所の判断で成年後見人等をつけることになります。後見人等は原則取消権があるので、本人が契約した場合でも取り消すことができます。


司法書士

田中裕志