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相続生前対策9(認知症対策)
« 2018/9/05 »

【質問】

 父母についての相談です。ともに80代後半で、老人ホームで元気に生活しています。今後の財産管理や相続についてどのように進めればよいか教えてください。なお、私の兄弟は弟1人と妹1人です。


【回答】

 今は人生100年時代といわれ、長寿が当たり前の世の中になっています。それに合わせての準備も必要となってきます。

 まず、時系列に従って、存命中と相続(死亡)後の手続きに分けて考える必要があります。

存命中で検討すべきは、認知症対策です。高齢化社会に伴って認知症のリスクが大きくなっています。判断能力が低下すると、社会的にできないことが多くあります。老人ホームに入所するのも介護サービスを利用するもの定期預金を解約するもの契約等の法律行為です。法律行為は、意思表示がその要素となっており、意思能力(判断能力)があるのが前提となります。認知症になると、この意思能力に問題が生じるので、各種契約や金銭の管理が制限される場合があります。この対策として、成年後見制度の活用や家族信託の検討が有効です。

 相続対策としては、遺産分割対策と相続税対策があります。相続人間のコミュニケーションがとりづらい場合や特定の方に財産を渡したい場合には遺言書を残すことをお勧めします。また、一定金額以上の財産があるときには、相続税がかかる可能性があります。その場合、納税資金の確保が必要となります。さらに節税を検討する場合には、年数を要することがあります。

 専門家に相談しつつ、これらを総合的に検討していきましょう。

司法書士 田中裕志