質問】

 建設業を営んでいた夫が先月亡くなりました。作業場や機材などもありますが、個人事業用の借入もあります。相続放棄を検討していますが、注意点を教えてください。


【回答】

 相続は死亡によって開始する(民法882条)との規定があり、人が亡くなると自動的に、その財産は法律上の相続人に承継されます。相続人の第一順位は配偶者(妻)と直系卑属(子供)です。また、プラスの財産だけでなく、マイナスの財産も引き継がれます。

 この場合、マイナスの財産(借入)を引き継がない方法として相続放棄があります(民法938条)。家庭裁判所に申述(書面で申出)することにより、はじめから相続人とならなかったことになります。つまり、マイナスの財産とともにプラスの財産も引き継がないことになります。

 相続放棄は、相続人それぞれが各自行うことができます。第一順位の相続人が全員相続放棄すると第二順位の相続人(親などの直系尊属)が相続放棄の判断をします。その方たちも全員相続放棄をすると最後に第三順位の相続人(兄弟姉妹)に相続の権利が引き継がれます。

 このように相続放棄することによって借入の責任を免れることができますが、現金や不動産等のプラスの財産も引き継ぐことができなくなります。また、原則相続開始を知った時から3ケ月以内に申述しなければなりません。

 3ケ月以内に相続放棄の判断が困難なときには、家庭裁判所に請求することによってその期間を延長することも可能です。慎重に検討しましょう。

司法書士田中裕志


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