【 質問 】

 

 認知症の父親の施設費用にするために、父親の自宅を売却したいと考えています。成年後見制度を利用しなければならないと聞きましたが、どのように判断すればよいのでしょうか。

 

【 回答 】

 

 自宅の売却は、法律行為(契約)です。そのためには、「自宅を○○万円で売却する。」ことの意味を理解していなければなりません。その理解能力がなければ、契約は無効となってしまいます。

 ですから、まずはお父さんに契約をする能力があるのかを確認しなければなりません。明確な境界線を引くことは難しいと思いますが、主治医の見解などを参考にして関係者で確認することになるでしょう。

 明らかに契約能力がない場合には、成年後見制度の活用を検討します。成年後見人は本人の代理人となりますので、本人所有の財産を処分することもその権限に含まれています。ただし、あくまで本人の利益となるように財産を管理、処分をしなければなりません。監督する家庭裁判所と協議をして決めることとなると思います。

 さらに、処分するものが自宅(居住用財産)の場合、裁判所の許可が要件です。裁判所が許可しなければ、父親の自宅を売却することはできません。売却の理由や売買代金、本人の状況などを考慮して裁判所が許可するかどうかを決めます。

 自宅の売却のための成年後見制度の活用は慎重な検討が必要です。

 

司法書士 田中裕志