質問】

 82歳男性です。遺言の作成を考えていますが、主な財産が自宅なので子供2人の共有で残したいと考えています。これについてアドバイスはありますでしょうか。

【回答】

 遺言を残すことによって、相談者(遺言者)の意思が原則的には実現されることになり、円滑な財産承継がなされることが期待されます。その前提として、法的に有効な遺言でなければなりません。公正証書遺言の場合には、公証人が作成するので法的効力については問題ないと思いますが、自筆証書遺言の場合には、いくつかの形式的や表現方法の要件があるのでそのチェックが必要です。司法書士、弁護士などの専門家に確認してもらうことが必要でしょう。

 遺言の内容についてですが、不動産の共有(共同所有)については慎重な検討が必要です。共有の場合、原則として共有者全員で話し合って使用方法や処分について決めなければなりません。意見が異なると、調停などの手続きを経なければならないこともあります。特に兄弟間での共有については、長く所有する場合にはお勧めしません。数十年経って世代が変われば、いとこ(兄弟の子)らが不動産を共有することになります。関係性が兄弟よりも希薄になることもありますし、共有者が増えることも考えられます。また、遠方の方が共有者になることもあるでしょう。そうなると、管理、利用、処分についての話し合いがまとまらず、結局不動産が有効に活用されなくなる可能性が高くなります。

 長いスパンで考えて遺言を残されることをお勧めします。

司法書士 田中裕志