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相続生前対策2(民事信託)
« 2018/7/30 »

 【質問】

 80歳男性ひとりぐらしです。まだ元気ですが、将来自宅から施設に移る場合に自宅を処分して施設の費用に充てたいと考えています。認知症が心配です。準備すべきことを教えてください。

【回答】

 高齢になれば生活するうえで様々なサポートが必要です。特に「どこに住むか」が重要になってきます。大きく分けると、自宅に住み続け訪問介護などのサポートを受ける場合と老人ホームやグループホーム等の施設に入居する場合の2つが考えられます。

 そのうち施設に入居するための準備を認知症リスクの観点からお話しします。施設入居のために自宅を売却する場合、売却時に所有者本人が「売却する」という意思を有していることが必要です。その前提として意思能力(判断能力)がなければなりません。しかし、認知症が進んで判断能力が乏しくなれば、意思能力を欠くものとして売買契約ができなくなる可能性があります。その場合、本人をサポートする制度として成年後見の利用が考えられます。ただしこの制度は裁判所への申立等が必要となり、(売却ができるとしても)数か月以上の期間を要します。

 そこで、民事信託の利用を検討する必要が出てきます。信託とは、財産を他人に託して(任せて)管理や処分をしてもらうイメージです。子供さんなど信頼できる人に信託により自宅の名義を変更しておくことにより、仮に認知症になったとしてもスムーズに当初予定していた売却手続を行うことができます。契約内容等は専門家の関与が必要となるでしょう。

司法書士 田中裕志