家賃を払ってくれない⑩

 

質問

 家賃不払いによる明け渡しの判決を得て、強制執行の申し立てをしました。そのあとの手続きについて教えてください。

 

回答

 建物明け渡しの強制執行は地方裁判所の「執行官」に対して行います。確定した判決などの「債務名義」と呼ばれる手続きが完了していることが前提です。つまり、裁判所で「明け渡しなさい」との命令が確定したのに相手がそれを実行しない場合に初めて強制執行ができます。その強制執行も私人が自分でできるわけではなく、裁判所に申立(依頼)して実行してもらいます。

 強制執行の申し立てをすると、執行官の費用として一定の金銭(数万円程度)を裁判所に預けます。そして、執行官に現地を見てもらったり張り紙をしてもらったり、相手方と話してもらったりします。それでも相手方が明け渡しをしない場合には、執行官が業者さんに依頼して建物の中の家財道具などを外に出します。そこまでいくと業者さんへの費用が発生するので、数十万円の費用がかかることも珍しくありません。

 家財道具などを外に出して保管、処分してもらうと強制執行が終了します。その後裁判所に預けた費用の清算があります。

 強制執行は、このように裁判所という国の機関に強制力を発揮してもらう最終手段です。

 

司法書士 田中裕志