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遺言の必要性8
« 2013/7/14 »

 

質問

 私名義の土地建物を会社の後継ぎである長男に譲りたいと考えています。生前贈与と遺言どちらのほうが良いのでしょうか。

 

回答

 このような質問をちかごろ多く受けるようになりました。「確実に財産を承継させたい」という願いが伝わってきます。権利意識の発達や兄弟間の微妙な関係がうかがわれることもあります。

 まず、生前贈与ですが、贈与する人と贈与される人の合意があれば贈与契約及び所有権移転登記(名義替え)を行うことができます。ただし、遺言の場合もそうですが、当事者にある程度の判断能力があることが前提です。生前贈与は、現時点で名義を移すので安心感を得ることができます。生前贈与の場合に最も気を付けなければならないのは贈与税です。通常、不動産は高額です。(贈与により)名義を移しただけで、何十万円、何百万円もの贈与税を納めなければならない場合があります。そのほか、不動産取得税、登記費用もかかります。事前に税金、費用を見積もっておくことが肝心です。相続を前倒しする「相続時精算課税制度」という税法上の制度もあるので検討が必要でしょう。

 遺言は、現時点で遺言を残しますが、所有権移転、名義替えするのは所有者が死亡してからです。贈与に比べて税金、費用が安く済む場合がありますが、確実性に不安があります。遺言を書いた後に所有者が遺言を書き替えたり、土地建物を別の人に贈与することを止めることはできません。

 以上の特徴をふまえて専門家と相談しながら検討するのが良いでしょう。