【 質問 】

 

 数年前に父親と任意後見契約を結びました。最近、父親の認知症が進んだように思います。任意後見契約の効力を発生させるにはどのような手続きが必要でしょうか。

 

【 回答 】

 

 任意後見契約を結んだだけではその契約の効力は発生しません。つまり、その時点では受任者(依頼を受けた人)は仕事をすることはありません。では、いつから仕事をすることになるのでしょうか?

 おさらいになりますが、元気なうちに(判断能力が十分にあるうちに)任意後見契約を結びます。契約の内容としては、将来判断能力が低下したときに誰にどのような財産管理などを依頼するかを具体的に決めて記します。

 その後、認知症などにより判断能力が低下した場合に、家庭裁判所への手続きを検討します。具体的には、医師に診断書を書いてもらい、その他書類を用意して後見監督人選任の申立を家庭裁判所に行います。そして、裁判所が後見監督人を選任すると任意後見契約の効力が発生します。この時から任意後見人が仕事を開始します。

 契約によって仕事の内容が決まりますが、通常、預貯金の通帳や証書を預かり管理します。そして、年金等の入金の確認や支払いをします。また、必要があれば、老人ホームや病院の契約をします。

 相談者が家庭裁判所の手続きを検討する場合には、まず、主治医の意見を聞くことをお勧めします。

 

司法書士 田中裕志