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認知症対策2
【質問】
75歳一人暮らしの女性です。ちかごろ成年後見という言葉をよく耳にします。概要を教えてください。
【回答】
成年後見とは、法律に基づいて「成年後見人」と呼ばれる人がある人の財産管理などを行う制度のことをいいます。主に認知症などにより判断能力が低下した時に利用する制度です。以下具体的に説明しましょう。
相談者は現在一人暮らしをしているので、判断能力が十分にあると思います。しかし、将来、認知症になるかもしれません。その時に、「自宅に住み続けることができるのか」「施設に入るとして、入出金や通帳の管理は誰がしてくれるのか」などの不安、疑問が湧いてくるはずです。家族や親せきがサポートしてくれるのであれば、ある程度は任せることができるでしょう。
しかし、施設の契約や不動産の売却、定期預金の解約など本人が行うことが前提の重要な行為の場合、本人の判断能力が求められます。他人に任せるにしても本人の意思確認がなされます。判断能力が低下しているときには、適切な判断と意思表示ができない場合があります。このときに成年後見制度を利用します。「成年後見人」が本人に代わって判断と意思表示をします。成年後見人は本人の代理人として契約をしたり財産管理をします。
成年後見制度には①「法定後見制度」と②「任意後見制度」の2種類があります。判断能力が低下してから家庭裁判所に申立をして後見人を選んでもらう方法が①法定後見制度です。他方、あらかじめ「誰に何を任せるか」を契約しておく方法が②任意後見制度です。
司法書士 田中裕志