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認知症対策4
【質問】
85歳女性です。2年前に司法書士と、財産管理契約と任意後見契約を結びました。私が「依頼した時」に財産管理等をお願いすることになっています。いずれのタイミングで依頼すればよいか、教えてください。
【回答】
相談者は、すでに財産管理等の契約を締結しているということですね。この契約は、子どもがいない方など将来身近に財産管理をしてくれる人がいない場合に、あらかじめ相手と内容を決めて公証役場で結んでおくものです。
いくつかのパターンがありますが、相談者は、体が不自由になった場合に備えての財産管理契約、認知症対策としての任意後見契約の2つの契約を結んだものと考えられます。財産管理契約は、「依頼した時」から受任した司法書士が仕事を開始する内容になっているようです。
自分で判断できて自分で銀行等に行けるうちは他人に頼まなくても自分で行いたいと考える方が多いでしょう。しかし、日常生活においてそれに支障を感じるようになれば、契約にしたがってお願いすることを考えてはいかがでしょうか。
ただし、その前提としてお互いの信頼関係ができていなけばなりません。大切な通帳等を預けることになるので、それによって不安が大きくなるようであれば本末転倒です。その場合には、まず定期的に面談するなどしてコミュニケーションをとる機会を設けます。その後に財産管理をいつから依頼するかどうかを決めれば良いと思います。友人等信頼できる人がほかにいればその方の意見を参考にするのも良いでしょう。
司法書士 田中裕志