司法書士法人あい事務所-会津若松・猪苗代・会津坂下-

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認知症対策7
« 2017/7/03 »

質問

 85歳叔父の相談です。叔父Aは一人暮らしで認知症気味で、近くに住む弟の叔父Bが通帳等の管理をしています。しかし、叔父Aの銀行口座から数十万単位のお金が何回か引き出されていることがわかりました。叔父Bに聞いても要領を得ません。どうすればよいでしょうか。


回答

 現在の状況は、叔父Bが兄であるAの財産管理を任意の契約で行っているということでしょうか。この場合、財産管理の内容や報告事項を明確にしておくことが重要です。その前提として、依頼者であるAに判断能力があることが条件です。仮に、Aが認知症により判断能力が著しく低い場合には、このような財産管理は問題があるといえるでしょう。

 そもそも、財産管理等の契約においては、各自の判断能力が十分であることが必要となっています。そうでないと、自分に不利益を被る契約をしてしまう可能性があるからです。Aにおいても自分の通帳をチェックしたりBに説明を求めたりして、自分の財産が適切に管理されているか確認することができます。それができない状態であれば、判断能力を補うため成年後見制度の利用を検討すべきです。

 成年後見人等が裁判所より選任されれば、Aの財産(通帳等)の管理はその後見人が行うことになります。後見人は、自分の財産と本人の財産を明確に区別して、入出金の帳簿を作成し、定期的に裁判所に報告することになります。また、就任以前の不明な入出金を調査することもあります。そうすることで、本人の財産を守ります。


司法書士 田中裕志