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【 質問 】
子どものいない85歳の従姉(いとこ)に頼まれて老人ホームの保証人と通帳の管理を引き受けました。しかし、従姉の姪が「通帳を預からせてほしい」と言っています。どのように対応すべきでしょうか。
【 回答 】
高齢者の財産管理についてはしばしば相談を受けます。トラブルが発生しやすいパターンですので注意が必要です。
まず、本人(85歳の従姉)の判断能力の確認が必要です。自分の財産の内容、金額や通帳の所在など把握したうえで通帳の管理を依頼しているのであれば、本人の意思が明確であるといえるので、依頼された方もその依頼内容にそって管理をして定期的に本人に対して入出金額や残高を報告して、堂々と財産管理を行っていけば良いと思います。その際、依頼の内容を明確にするために文書にて財産管理委任契約書を作成すると良いでしょう。できれば、公正証書(公証人が作成する文書)で作成することが望ましいと思います。公証人が本人の意思確認を行い、契約内容も明確になります。
本人の判断能力が心もとないときには、法定後見制度の活用を検討する必要があります。主治医などに診断してもらい判断能力の専門的意見をいただきます。そのうえで、家庭裁判所に法定後見の申し出を行うかどうかを検討します。法定後見制度は裁判所の監督を受けるため、本人の財産を守る点ではすぐれていますが、後見人は財産管理の報告書を定期的に提出しなければならず事務処理に労力がかかります。裁判所が選任する専門家に後見人になってもらう方法もありますが、ある程度の費用がかかります。
司法書士 田中裕志