質問】

 50代女性です。近くで1人暮らしの80代母が近頃もの忘れが目立つようになってきました。騙されてお金を支払ったりしないか心配です。家族信託が良いとききましたが、いかがでしょうか。

【回答】

 家族信託とは、預貯金や不動産などの財産を信頼できる家族等に託して管理や処分を任せる契約のことをいいます。契約は両者の合意ですので、任せる人と任せられるとの話し合いで、どの財産をどのように任せるかを決めることが必要です。

 仮に相談者の母が、認知症になって判断能力が低下すると本人の意思確認ができなくなり、預貯金の引き出しや解約ができなくなるおそれがあります。いわゆる資産凍結です。

 そうならないための方法として、家族信託が考えられます。認知症対策です。親子間で家族信託の契約をして、一定の預貯金を受託者(子ども)名義に移しておきます。こうすることによって、仮に親が認知症になり判断能力が低下しても、子どもの判断で親のために、任されたお金を使うことができます。

 家族信託のほかに、財産管理・任意後見契約を活用することも考えられます。これも家族信託同様、親子間で契約して任せる内容を決めます。家族信託との違いは、任意後見契約の内容は登記され、判断能力が低下すると裁判所に申立て監督人が付くことです。裁判所が関与する手続きです。

 相談者の場合に、どのような手続き・制度を利用すればよいのか(もしくは利用しなくてもよいのか)は、メリットデメリットを勘案して具体的に検討する必要があります。専門家に相談することをお勧めします。

司法書士 田中裕志


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