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【質問】
80代男性です。自宅を近くに住む長女に家族信託したいと考えています。名義変更をすると聞きましたが、贈与や売買との違いを教えてください。
【回答】
まずは、家族信託の概要を確認しましょう。文字の意味どおり、家族(親族)に財産を託す(信託する)ことを家族信託と呼んでいます。まず、登場人物が3人いますが、そのうち2人は同一人物となりますので実質的には登場人物は2人です。
託す側の親を「委託者」といい、託される側の子(甥、姪など)を「受託者」と言います。そして、財産を貸したり売却したりした時に利益を受ける人を「受益者」といい、通常委託者が受益者となります。つまり、相談者の場合では父親が委託者兼受益者で長女が受託者で、信託する財産が父親の自宅となります。
贈与や売買では、所有権が移ることによりその物の使用・収益・処分を譲り受けた人ができるようになり、利益も譲受人が得ることになります。この点が信託と異なるところです。信託の場合には、登記上所有権の名義は受託者(子など)に移すものの受益権(利益を受ける権利)は委託者である親に残したままなので、賃貸・処分した場合の利益は親が受けることができます。
親は、管理や処分は子どもなどに任せ自分のために使ってもらうように頼むことができるというわけです。登記上も、贈与や売買ではなく「信託」という原因で所有権移転登記されます。そして、受益者の住所氏名はもとより、信託契約によって受託者に任せた内容が登記簿の一部として「信託目録」に記載されます。土地建物の登記事項証明書を法務局で取得すると、信託目録の内容も確認することができます。
司法書士 田中裕志
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